―NO MORE LIES―


「こんなに苦し。。。のに、なんで。。。」

ベッドに突いた指が握り締められてシーツに皺が寄る。

「清寿?」

荒い息遣いに混じる吐息は甘く、受け入れて揺れる腰は積極的
ですらあるのに、顔が見えないから不安になる。

「何も、考えられなくて。。。何も。。。分からなくなっ。。。てっ」

後ろから抱かれて顔をベッドの上に伏せている、その背中に身体を
密着させると中で角度が変わったせいか、清寿は鋭く震えた。

「繋がってる間は俺のモノだから」

くちづけをせがむと無理な姿勢で答えてくれて、大きく喘ぐ。

「笑太君。。。!」
「俺の事だけ感じて、お前はただよがってればいい」

肌と肌がぶつかる音が立つ程強く交わると喘ぎ声は嗚咽になって、
俺も何も考えられなくなってくる。

「笑太君っ。。。もっと、深くっ。。。もっと。。。奥。。。っ」

張り詰めて屹立する清寿の中心を捕えて、息を詰めさせる。

「欲張りだな」

小さく笑うと唇をねだられて、舌を吸い合い求め合うのを停めずに
昂りを弄び、もう片方の手で腹に赤く浮き上がった傷跡を撫でる。

「あっ」

手の中で清寿が振るえ、弾けた。
抽送を止めて耳朶を甘く噛む。

「俺まだだから、も少し我慢」
「ん。分かってる」

ガクガク揺れている膝を必死に立てて堪えようとしてくれる様子が
愛しくて、体位を変えようとしたら拒まれた。

「なぜ?だめ?」

息を切らせて答えを云えずに首を振り続ける清寿の背中に唇を
遊ばせる。

「ごめ。。。っ。僕じゃ、イケない?」

薄く汗の粒が浮いてきたうなじを痕が残るほど強く吸い、乱れても
真っ直ぐに流れる髪に沢山のキスをする。

「違う。清寿のイッた時の顔が好きだって、前から何度も云ってんのに」
「。。。悪趣味。。。」
「それも何度も云われてる。でも好きなもんはしょうがない」

頭を掴むように後ろを振り向かせて強引に唇を重ね舌を滑り込ませ
固く閉じた瞼の間から涙が溢れて流れだした頃、向かい合わせとなる。

「清寿、腕」
「うん」

いつものように腕を首の後ろに回させて腰を抱いて持ち上げるようにして、
望み通りにもっと深く、もっと奥を穿つ。

「笑たっ。。。!声が出ちゃ。。。っ、声も。。。っ!」

望むのならば、叶えてやる。
声すら全てひとつになるように唾液が溢れるのも構わず唇を重ね続ける。


「ンッ」




どこかへ、持っていかれた意識が戻ってきたのは清寿が首筋に顔を押し
付けるようにしてくちづけてくれた時。

「今日は笑太君が飛んじゃってた」

汗ばんだ肌が吸い付いて、互いの激しい鼓動まで伝わってくる。
抜かずに名残りを惜しむようにゆるゆると動くと、俺の背中から清寿の
指が滑って腰骨の上を掴んだ。

「もう無理」
「なら手、離せ」

腰に添えられた手の上に手を重ねるとぴくんっと緊張が走ったが、それ
が引き離そうとしてではなく握り締める為だと分かると笑みが戻った。

「よかった?」

緩急をつけて突き上げると、尋ねた清寿の語尾が上擦った。

「お前としてよくなかった時は今まで一度も無い」
「ウソでも嬉しいな。ありがと、笑太君」
「マジだって。信じろよ」

頬を擦り寄せてきて、小さく息を吐きながら肩に顔を埋めてきた。

「お前の誕生日までには絶対に任務を終わらせて祝ってやるって約束
も守っただろ?」

8月の初めから担当していた案件の関係で、俺と清寿は各々別の所
への潜入捜査をしていた。
死刑囚を追いつめて刑を執行する会うことも出来ず、連絡も取れず、
お互いの安否も確認出来ない状況がずっと続いて、最終的に羽沙希
も合流して任務が完了したのは今日、9月20日になってからだった。

「久しぶりだし、ちゃんと顔見せろ」

首だけが微かに上下に動いて、肌の上で口が動いたのは感じたが、
何を云ったのかまでは解らなかった。

「何か云った?」

重ねた手の繋いだ指に力が入っただけ。

「何か、云えよ」

答えは聞けなくてもいい、声だけ聴きたい。
顔を上げてくれるだけでもいい。
力づくは嫌がるだろうから何もせずにじりじりと焦れて待つ。
ああこんなにも惚れているんだな。。。自覚する瞬間。

「誕生日のお祝いが一緒になっちゃったね、って」

俺に向けられた微笑みにひとつキスを落とす。

「プレゼントを用意する暇もご馳走作っとく暇も無かったのが残念」

自分がしたのと同じ、唇を触れ合わせるだけのキスを返される。

「笑太君。一ヶ月遅れだけど、お誕生日おめでとう!」
「清寿もな。誕生日おめでとう」

結んでいた手を解いて互いの頬を、両手で包む。

「正式にはあと何時間後だけどね」
「細けぇなぁ!起きてられたらもう一度云ってやるよ」
「じゃあ寝かせないようにしないと!でも笑太君すぐ寝ちゃうからなぁ」

来年のことは全く分からない。
だから今年一緒に笑っていられるのが嬉しい。

「仕方ねぇなぁ〜。付き合って起きててやる」

生まれてきて良かったと思うことは少なくても、同じ業を背負った同士、
出会えたことに感謝して。

「ありがと、笑太君」
「こちらこそ。。。好きだよ」

真っ赤に染まった頬に年に一度の想いを込めたくちづけを、捧げる。


―The End―






P.S.
Happy Birthday笑太&清寿!
。。ってことで今年は2人一緒にお祝い。

本編がや〜っと第一のターンになって
これから面白くなりそうな感じ?←
それまでは深刻な萌え欠乏症になっていて
自分の中の笑太が迷子状態で。

乾的にはやっぱり連載初期の頃の
クールでちょっと皮肉屋だけど情に篤い
キリッとしていた頃の笑太が好きかな。。
等と思う今日この頃。

誕生日の話は毎年書いていますが
永遠に歳を取らないハズ?)の2人には
今年の誕生日が全て。で、最後かも。
本編が厳しい展開なので余計に
甘〜い甘〜い話にしました。
11/09/20Tue.


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