[02-1] Monday 朝食風景


遅く起きてシャワーを浴びてバスルームから出てくると、
味噌汁の香りがした。
テーブルの中央にはおにぎりが置かれた皿。
三角にふわりと握ってあっていかにも美味しそう。
向かい合って置かれた平たいお皿の上には目玉焼き。
白身は固まっているけど黄身が半熟っぽい絶妙の焼き
加減で、ころんころんとプチトマトが3つ添えてある。

「じゃあコーヒーを。。。」
「いい」

コーヒー豆の入れ物に伸ばそうとした手を制される。

「髪乾かしてきていいよ」

トントンと何かを切る音がしていて、振り返らずに云う。

「。。。」

洗面所に居る間に、コーヒーを淹れる香りが漂いだす。
鼻歌まで聴こえてきた。
機嫌が良過ぎて。。。

「なんか調子狂う。。。な」

部屋に戻ると窓から差し込む朝日が眩しくて、
こちらを向いている背中を、目を細めて眺める。

「。。。?」

視線に気付いて振り返って、笑う。
その笑顔が朝の光よりももっと眩しくて、くすぐったい。

「座ってて」

頷いて、席につく。
目玉焼きに何を掛けて食べるか?でケンカになりかけて
以来食卓に並べられるソースと醤油と塩はいつも通り。
気を遣っておかれた食器と箸の位置が、らしくて笑える。

「スゴい」

自慢気に軽く顎を上げて笑う表情(かお)。

「っんだよ。笑うな」
「笑太君って本当に何でも出来るんだね」

何度も一緒に朝を迎えたけれど、笑太君が朝ごはんを
作ってくれたのはこれが初めて。
手を拭いて、新聞を手に僕の目の前の席に座った。

「まだキツそうだったから起こせなくて、さ」

さらっと云って笑うと、紙面に視線を落とす。

「笑太君」
「ん?」
「ありがと」

口元だけに漂った淡い笑み。
顔を上げてくれないから眼鏡のフレームで隠れて、
照れたように笑っている筈の目元は見えない。

「いただきますっ!」

この人のこと、好きだな。。。と、改めて思う瞬間。

「笑太君も!のんびりしてると遅刻するよ」
「はいはい」


こんな特別な朝で始まった一週間が平和で幸せで
ありますように。。。


―End―



一週間のお題の
2週目の始まりは
特別だけど普通の朝の光景
から。。
09/10/10Sat.



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