―Winter Tales vol.1

真っ白な雪の上に、真っ紅な鮮血が散った。

「処理班まわして」

手短にそう伝えると、笑太君は無線を切った。
「クソッ、寒ぃな。大丈夫か清寿?」
「?」
「さっきからくしゃみばっかしてるだろ」
見て無いようで見ているから、時々どきっとさせられる。
「あは。気付いてた?」
「フツー気付くだろ?そんだけクシュンクシュンしてりゃ」
さり気なく云ってくれるのが嬉しくて、僕ばかりが照れて
しまう。
「笑太君普通じゃないから」
「。。。ケンカ売ってんのか?」

ムッとした表情(かお)も好き。

「あははっ。。くしゅんっ!」
ほら見ろ。。。と云いたげに眉をしかめて、僕の肩に薄く
積もりだしていた雪を払った。
「処理班来るまでくっついてろよ」
お返しに笑太君の肩の上を払っていた格好のまま、
一瞬固まった。
「いいの?任務時間中だし、制服着てるよ?」
「その方が俺もあったかいから」
そう云って僕の顔を改めてじっと見てから視線を外して、
前髪で顔を隠すようにしながら続けて云った。
「それにほら、風邪ひいたの俺のせい。。。なんだろ?」

真っ白な息の向こうの、真っ赤な頬。

「布団取られたら取り返せばいいんだ。端っこで丸くなっ
てたってしょーがねぇんだから」
自分の寝相が悪いのは置いといて、それを僕に云う?
「笑ってんじゃねぇよ」
だって、笑うしかないよ。
照れ隠しの逆ギレは、可愛いだけで迫力が無い。

「遅ェな。。」

なかなか着かない諜報課と処理班に、笑太君が
舌打ちする。
「寒いか?」
「ううん。もう全然、大丈夫」
「震えてんのに?」
「あ、これ。。。貧乏揺すりみたいな?」
「お前さぁ。。。」
背中から回された腕が、僕の肩を強く引き寄せた。

もっと遅くたっていい。

そう思っているのは僕だけだね。。。

「くしゅんっ!」
「へっ、くしゅっ!」

同時にくしゃみをして、顔を見合わせて笑う。

「今夜はあったかいもの食いたいな」
暖かい部屋でぬくぬくしたい。
「あったかいものか。。。何がいい?」
温かいもの食べて、沢山お喋りをしてキスもして、
お互いを抱き締めて眠りたい。
「清寿の作ってくれるもんなら何でもいい」
指を絡め合っても、手袋越しの温もりはもどかしい。
「う〜ん。。。何にしようかな」
言葉が途切れ、唇と唇が触れそうになった時、無線
から羽沙希君の声が響いた。

『御子柴隊長っ式部隊長っ着きました!遅くなって
すみませんっ!』

「。。。ったく。タイミング悪ぃヤツだな」
無線を切ってから、笑太君が苦々しく笑った。
その顔が、真っ白に降り続く雪を背景に、真っ赤に
染まって見えた。


―To be continue―






P.S.
本格的に体調崩しまして
根を詰めて長い話を
書けない状態なので、
連作で冬の話を
書いていく予定。

そして。。
Merry Christmas to You♪
08/12/24Wed.


Back