21. その言葉が唯一の繋がり *R-18*


「ま、待って、笑太君っ」
抱き締めてくれていた腕が、少し緩んだ。
「待てない」
耳朶を優しく噛まれて、首が竦む。
「う。。。」
耳の中を舐られて、唇から零れそうになる甘い
吐息を噛み殺す。
「やっぱ、初めての時より2回目の方が緊張
する?」
からかうように半分笑いながら云われても、
睨み返す余裕も無くて、瞳を伏せたまま頷く
ので精一杯だ。
あの夜のことなんて、良く覚えていない。
思い出そうとしたら身体の奥が疼いて、自分
が自分じゃなくなりそうになって、怖くなった。
「清寿」
潤んだ瞳で見上げると、笑太君が真面目な
顔で云った。
「もう一度、俺のものになって」
どう答えたらいいか、考えられない。
太腿から滑り降りてきた手に膝頭を開かれて、
他の誰にも見られたことのない部分が晒されて
ゆく。
「やだ。。恥ずかしい。笑太君、見ないで」
顔の前を覆っていた腕を、そっと持ち上げられる。
「そんな可愛い顔してんなよ」
熱を持った顔を手のひらで包まれて、親指を頬
を撫でられた。


違う。違うよ。
僕が欲しいのは。。。


足の付け根の柔らかいところを、ちゅっ、と、音
を立てて吸われる。
「あぁっ」
硬く高揚しているものに、舌が絡みつく。
自ら溢れさせ、濡れていく感覚に身体が震える。
「笑太くん。。。っ!」
指を噛んで、喘ぎ声を飲み込む。
「綺麗だ」


違う。違う。違う。
僕が欲しいのは、そうじゃなくて。。。


「いい?」
腰に手が添えられ、引き寄せられる。
「違。。。うっ」
「まだ怖い?」
駄々をこねている子供をあやす様なくちづけが
歯痒い。
「清寿が欲しいんだ」

僕だって狂おしいほどに笑太君を求めてる。
けれど、違うんだ。
本当に欲しいのは。。。そんな言葉じゃない。


「愛してる」

どくん。
全身が心臓になったみたいに脈打った。

「愛してるよ、清寿」


封印してきた、大事な言葉。
両親を喪った時に失って、憎しみに隠して
否定することで守ってきた感情が溶け出して、
堰を切って流れ出す。


「僕も。。。愛してる」


その言葉が唯一の繋がり。
死に魅入られている僕達が共に在る為の。


そして、笑太君で満たされてゆく。。。


―つづく



想いが通じていても
もどかしい。。

もどかしい恋のお題
最後の10題は、
そんな不器用な恋愛を
書いてみようかと。
08/09/23Tue,


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