―an Intermezzo―


「はっ。。。はぁ。。。はっ。。。っ。。。っ。。。」

喘ぐ声から引き攣るような呼吸(いき)に変わったこと
に気が付いて、御子柴は式部の顔を覗きこんだ。
「。。。どうした、清寿?」
式部が薄く瞼を開くと、涙が、熱を持って赤く染まっ
た頬を伝って流れた。
「キツい?」
目をぎゅっと閉じて首を左右に数回振ってから、式部
は上に居る御子柴に向かって両手を広げた。
胸と胸を密着させるように上半身を倒した御子柴の
肩を、伸ばした腕が抱き取る。
細い腰を引き寄せ抱き上げられて更に奥を突かれると、
式部は引き絞るようなか細い声を漏らした。
「なんで声、殺してんだよ」
細かく震える喉元を舐め上げられて、御子柴に絡めた
足先まで震えが走る。
「なんか今日、見られてる。。。」
甘く蕩けそうになる息を無理に抑えて、式部は御子柴
の耳元で囁いた。
「そんなのいつもだろ?」
呆れたような鼻息が首筋にかかって、御子柴の肩に
しがみついたまま、式部は肩を竦めた。
「今更監視カメラなんか気にすんなよ」
耳の後ろから鎖骨の上まで音を立てて滑り降りた唇に
胸の突起を強く吸われて、また息が乱れた。
「違。。。っ、い、つもと。。。なん。。。か違。。。う」
喋ろうとする度2人の間で硬く立ち上がっているもの
を愛撫されたり、中を掻き混ぜるように動かれて、式部
の言葉は崩れ、甘い吐息に混じりこむ。
「お前たまにそう云い張る日、あるよな」
「うん。。。」
「そういう日はやっぱ誰か見てんのかな?」
「ん。今日は、そんな感じが。。。する。。。ぅ」
喋りかけた口を唇で塞がれて、咽喉の奥まで舌で探ら
れた。
「シーツ被ってするか?」
どうしても見られたくないから、隠れるしかない。
前にもそうしたことがあったのを思い出して、御子柴が
訊く。
「でも声が出ちゃったら同じ。。。だよね」
特刑処刑隊員の部屋に仕掛けられた監視カメラが
単純に映像だけのものなら有効だろうが、相当小さな
音声も拾える性能がある物だから、意味が無い。
「止める?」
御子柴の腰が引かれ、結合が浅くなる。
「やだっ!止めないで、笑太君」
縋り付くように、式部の背が反った。
「今日は笑太君のお誕生日なのに。。。初めて一緒に
過ごすお誕生日の夜なのに。。。こんな中途半端なとこ
で終わり、なんて嫌。。。」
強く締め付けられて、御子柴が唸り声を上げた。
「笑太君が満足するまでしてくれないと。。。ヤダ」
汗ばんだ額と頬に貼り付いた濃い色の髪を指先で掻き
上げてやりながら、御子柴は口元に薄い笑みを浮かべた。
「だから覗かれてんだろうけどな。。。じゃあ周りのことなん
て気にならないくらい、悦くしてやるよ」
泣き出しそうな表情で目を瞑った式部の顔を見て微笑み
ながら、顔を傾けて唇を捉えた。
式部も必死にそれに応える。
「あ、、動いちゃ。。。やっ!声、出ちゃうっ」
喘ぐ式部の身体の下からシーツを引き抜いてふわりと広げ、
御子柴は自分の肩ぎりぎりくらいのところまで覆った。
「な!笑太君っ、何す。。。っ?!」
「声、抑えらんないんだろ?」
御子柴は繋がりあったまま、体位を変えた。
手と膝を付いて四つん這いになった式部の背中越しに、
意地悪な言葉を投げ続ける。
「声、もっと聞かせて。この向きなら表情(かお)はカメラには
映らないから」
喘がされ過ぎて呼吸することもままならない式部の唇の端
から溢れた唾液が糸を引く。
「ふ。。。はぁっ。。。あっ。。。ね、笑太くんっ」
愉悦の一歩手前の表情で、苦しそうに式部が訊く。
「気持ちいい?ね、気持ちいい、笑太君?」
「お前と同じくらいいいよっ。。。」
式部の足がガクガクと揺れ、腕の力が抜けて肘から崩れ落ち、
腰だけ持ち上げられた格好になる。
「イクっ、イッちゃう。。。っ」
「イッていいよ。ホラ、イケって」
熱の塊のように怒張した楔に激しく突かれ、先走りで濡れて
いた前を探られて先端を弄られると、式部の視界が白く霞んだ。

「あ、ああっ。。。あ。。。あ、あああーっ」

御子柴の手のひらの上に、白濁が吐き出された。
「清寿、愛してる」
荒い呼吸(いき)を繰り返している式部の背中を、御子柴は強く
抱きしめた。
「今度は俺がイッてもいい?」
式部の首が、くたんっ、と前に折れた。
「今の。。。返事?」
もう一回、くたっ、と、頷いた。
「お手柔らかに、お願いします」
「ははっ。お手柔らかに、か。。。」
掠れた、やっと聞き取れるくらいの声で云われ、御子柴は笑いな
がら体位を変えてやった。
「しっかり掴まってろ」
式部を仰向けにして、前から繋がり直す。
そして力が入らなくなっている式部の両腕を、自分の肩に回して
掴まらせた。

「んっ。。。あっ、ん。。。っ、う。。。ああ。。。っ」

御子柴に深いところまで抉られ、入り口近くの浅いところを擦られて、
一度放った式部のものが硬度を取り戻してきた。
「もう一回、イケる?」
自分で触れようとする手を除けさせて、御子柴が愛撫すると焦れた
ように雫が零れだした。
「う。。。ん。。。っ、イキ、そう。。。」
陶然とした表情で、式部が御子柴を見つめる。
御子柴はそれに、満足気な笑みを返す。
「な、清寿。いい、だろ?」
「ん。。。笑太君、好き」
苦笑すると、口元の黒子が持ち上がった。
「答えになってねぇよ」
「。。。大好きだから、気持ちいい」
深いくちづけを交わし合う。
「今度は一緒にイクか?」
「うん。。。頑張る」
御子柴が、律動を再開した。
式部は背中をしならせながら、目の前の身体にしがみついていた。


同時に甘い吐息を放って達した時には、もう監視カメラなんて
気にならなくなっていた。


「今夜覗き見してたヤツは、俺の背中に清寿の爪痕があるのを
知ってるヤツだな」
「ごめん!僕、夢中で。。。」
「いいよ。こんなの怪我のうちに入らねぇし。それより清寿、耳貸せ」
きょとんとした式部の片方の耳朶を引っ張って、御子柴が小さな声
を吹き込んだ。

「誕生日プレゼント、まだ有効?」
「。。。ええっ!?」

繋いだ手を引き寄せられて、重なり合う。
長い夜はまだまだ終わりそうになかった。


―The end―






P.S.
このところ
もどかしい恋の話とか
R指定ナシの話ばかり
書いていたので
反動(?)で。。

設定としては
笑太の誕生日の
夜の話。
“Sympathize Day
at Aug.17”
という話の続きに
なってます。。
08/08/14Thu.


Back