04:滑稽だね*R-18*


痙攣するように震えている背中を、胸を押し当てる
ようにして全身で抱いて、式部の中へ欲望を放つ。
うっすらと汗ばんで吸い付くように変化した肌を離す
のが惜しくて、御子柴は頬を摺り寄せた。
「まだ硬い。。。笑太君、全部出して。。。」
果てても尚、誘い込むように収縮を続けている襞が、
引き抜こうとするのを阻んでいた。
「大丈夫か?」
息を整えるように深い呼吸を繰り返していた式部が、
横顔で笑った。
「お願い」
この“お願い”に御子柴は弱くて、半ば脱力した式部
の腰を持ち直して高く持ち上げ、律動を再開した。
出し挿れを繰り返す度に中で放った精が漏れ出して、
一層高く湿った音を立てる。
その音に煽られるように、喘ぐ声も大きくなる。
「んっ。。。笑太くん、笑太く。。。んっ。。。っ」
式部は腕で身体を支えていることが出来なくなって、
枕に顔を押し当てている。
指の関節が白くなるほど力を入れてシーツを掴んで
いるその手の上に、御子柴は優しく手を重ね、指を
絡めた。
「くっ、う。。。っ、清寿っ」
「あぁっ。。。あ。。。」
弾けて、拍動しながら、最後の一滴まで注ぎこむ感覚
に、酔う。
少し落ち着いてから御子柴は、まだ熱を持って真っ赤
に染まっている式部の頬を、鎮めるように舐めてやった。

「滑稽だよね。。。」
荒々しく上下していた肩の動きが治まってきて、肌
を流れ落ちていた汗が引いてきた頃、式部がぽつり
と呟いた。
「人を殺すことが存在意義である僕達が、こうやって
“生”を貪るように抱き合っているのって」

うつ伏せになって反対側に顔を向けているので式部
がどんな表情をしているのか御子柴からは見えなか
ったが、多分無表情な。。。人形の顔になっている
んだろう、と、思った。
「こっち向けよ」
枕に突っ伏してしまった顔を、顎を鷲掴みにするよう
にして無理矢理自分の方へ向かせて、身体の向き
も向かい合うように変えさせて、御子柴は式部を抱き
寄せた。
「何かあった?」
左肩の古い傷痕の上に、甘い香りのする息が広がる。
「ううん。ちょっと悲しくなって」
さらさらと、いい香りのする髪を撫でてやりながら、何度
も唇を重ねる。
「俺は。。。こういう非生産的な関係って俺達にはぴっ
たりだって思うけどな」
式部の身体が、ぴくんっ、と震えた。
「何も生み出さない、何も残さない。だから純粋に求め
合える。違うか?」
どう返事をしたらいいのか戸惑っている様子の式部に
向かって、御子柴は満面の笑みを浮かべてみせた。
「お前が俺の子を産んでくれるっていうんなら子供作って
もいいって思うけどな。お前、すっごい可愛がってくれそう
だし」
上目遣いで御子柴を見て、くすっ、と、式部が笑った。
「僕が産むの?」
「当たり前だろ!俺の妊婦姿なんて想像出来るか?」
ん、と、一瞬視線を宙に彷徨わせて何かを想像した
らしい式部が、思い切り噴き出して笑い出した。
「な?そっちの方が滑稽だろうが」
「確かに!」

やがて。。。
笑い疲れて式部が眠ってしまってからも、御子柴はその
髪を無言で撫で続けていた。


―laughable incident―



笑太の妊婦姿。。
自分で書いてて
笑った〜(爆
清寿は似合いそう
だけど(笑
笑太と清寿の子供なら
きっとスゴい美人ですね。
(しかも強い。。)


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