03:彷徨う指先*R-18*


この家に誰かを入れるのは初めてだった。
玄関先で戸惑って足を止めてしまった式部の手を
引いてベッドルームに招き入れて、ろくに会話も交わ
さずに抱き寄せた。
緊張してがちがちになっていた身体が解れる頃には
夜も深くなっていて、顔が見えないと嫌、と云うから、
前からだけ抱いた。
「三上さん。。。ああっ。。。尊人っ。。。!」
繋がって喘いでいる時の掠れ気味な甘い声と、
私の胸や肩の上を彷徨う男にしては細い指先。
ワイヤーに引っ掛けて怪我をしないように短く切られ
た爪が浅く皮膚に喰いこむ痛みに官能を揺さぶられ、
我を忘れて際限無く求めてしまい、もう許してと泣か
せてしまった時には、夜明けの方が近い時間になっ
ていた。

朝日で目を覚まして、昨日カーテンを閉め忘れてい
たことに初めて気付いた。
もう少し余裕があるつもりでいたが、そうでもなかった
らしい。
腕の中には気を失うように眠りに落ちたにしては安ら
かな寝顔があって、規則正しい寝息を立てていた。
人形、DOLLと陰口を叩かれる特刑処刑部隊々員
の中でも最もお人形さんらしいと云われる整った顔を
じっくりと眺める。
珍しいものを見ているという自覚はあった。
式部は深刻な不眠症で、今まではこういう状況にあ
っても、私の前では眠ったことが無かった。
眺めているだけでは飽き足りなくなって、頬に触れる。
反応は無い。
顎から首、鎖骨から胸へと、手を滑らせるようにして
撫でていくと、胸の上の小さな突起の先端に触れた
時だけ小さく唸った。
でもまだ覚醒しそうにはない。
もっと下へ、指を進める。
男の性(さが)で、つん、と勃っていた性器を見付け出
して、弄ぶ。
「んっ。。。ぅんん。。。」
まだ成熟しきっていない若い茎はすぐに爆ぜて、手の
中に白濁を放った。
「ふ。。。はぁん。。止めてって、笑太くん。。。っ」
自らを隠そうとするように下半身を捻ってベッドの上に
伏せようとしながら寝言のように呟いて、再び深い眠り
に落ちそうになっている様子を見ていたら急に意地悪
がしたくなって、上から覆い被さるような格好で耳に口
を寄せて囁いてやった。
「すまんな、御子柴じゃなくて」
数秒の間があって。。。
がばっ!と、式部は勢い良く起き上がった。
そして怯えたような表情(かお)で私の顔を見て、視線
を落として濡れた下半身を見て、一瞬だけ責めるよう
な瞳で睨んでから、全身を縮こませるようにして毛布に
包まってしまった。
「すまない。もうしないって」
謝っても謝っても、余計頑なに身体を固くして拒む。
「こんなことする人じゃないと思ってたのに。。。」
少し悪戯が過ぎたか。
宥(なだ)めて賺(すか)して、やっと顔を出してくれたの
は大分時間経った後。。。
白いシーツの上に広がる、光が当たると青く光って見え
る黒髪を指で絡め取りながら、ご機嫌取りのくちづけを
何度もする羽目になった。


―molestation―



清寿もオトコの子ですから
朝はやっぱり。。(秘
“02甘い囁き”の話に
続きます。

“倒錯”の話は
ちょっとパラレルっぽく。
三上さんって
こんなお茶目なこと
しないよな。。と、
思いつつ。。(笑

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