―01:空


清寿が俺の目をじーっと見てる。
そして、ものすごく嬉しそうに笑った。
「なんだよ?」
「なんでもないよ」
瞳の中よりもっとずっと奥の何かを見詰めているような
表情をして見られると、照れ臭いような、見惚れてし
まうような、何とも云えない気分になる。
「何見てるんだよ?」
「笑太君の目」
紫色の瞳の上ではいろんな色の光がくるくる踊っていて、
そっちの方が見ていて面白いと思うけどな。
「俺の目の中に何が見える?」
目を細めて、うふふ、と、体を揺らしながらしあわせそう
に微笑んでから、清寿はまた俺の瞳を見詰めた。
「笑太君の目にね、空が映ってて」
清寿の部屋の大きな窓の向こうに広がる青空が、俺の
瞳に映っているようだ。
「その空がね、本物の空よりず〜っと綺麗で。。。」
伸び上がるようにして近付いてきた清寿の唇が、咄嗟
に瞑った俺の瞼の上に、軽やかに触れる。
「僕だけの空、って気がして嬉しくなっちゃう」
ガラス越しの青空の下で、裸で抱き合う。
真昼間でも、監視カメラがあると解っていても、愛しい
と思う衝動は抑えきれるものではない。
「僕、真っ青な空、好き」
深夜でも真っ暗にはならない都会の闇の色の瞳で、
無邪気に云う。
「俺は夜空も好きだけどな」

夜は昼に憧れて、昼は夜に恋い焦がれる。

一番深い夜空の色の髪に鼻を埋めて頬摺りすると、
清寿はくすぐったそうに肩を竦めて、ころころと笑った。


End.



新しいお題の最初の話は
あまあまで。。(^-^;ヾ


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