―02木漏れ日の中で


「清寿。。。お前、無防備過ぎ」

初めて出来た俺の部下は、野郎のクセに人形みたい
に綺麗なヤツ。
いつでもどんな時でも微笑んでいて。。。
実はちょっと苦手。
時々見せる鋭さと無鉄砲さが、本当のコイツは見た目
程には穏やかでも落ち着いてもいない、って感じさせる。
入隊して第一に配属になって、一緒に行動するように
なってしばらく経つのに。。。こちらが距離を置いている
からか、決して自分を見せようとしない。
養成所を主席で卒業したくらいだから、能力的には何
の問題も無いけれど、チームを組むには難有り。
俺もそういうのは苦手だけど。。。
時生との時にはアイツが折れてくれていたと、今になって
分かる。
と、云うか、俺よりアイツの方が勝手な奴だった。
だからあんなことになったんだ。。。

「ん。。。」

俺を現実に引き戻したのは、式部の口から漏れた声。
びくっ、として、手を引っ込める。
無意識にだけど、頭を撫でてやろうとしていたらしい。
もしかしたら触っちゃったか?
なんかむにゃむにゃ云ってるし。
「。。。ってか、何でお前寝てるんだよ!?」
独り言云うみたいに小さな声で抗議しても、こんだけ
しっかり寝てりゃあ聞こえねぇよな。。。
なんか俺、コイツに気、遣い過ぎ?
任務中に居眠りなんかすんなっ!
と、起こすにしても、諜報課が次のターゲットを捕捉
するのに手間取っているうちにバンの調子が悪くなっ
て、メンテするからちょっと待っててと云われているし、
天気がいいから外で待っていましょうよ!と腕を引っ
張られた時拒めずに連れ出されてしまったし。。。
木陰を見付けて並んで座って待っているうちに、急に
式部が、ごろん、と横になった。

「御子柴隊長、貴方の傍なら眠れそうな気がする」

満面の笑みで、意味深な台詞。
上目遣いで俺を見る、深い紫色の瞳。
どきん、と一瞬、心臓が跳ねた。
なんだよそれ?
。。。問い質す間も無くその目は閉じられて、すぅ、
と軽い寝息を立てた。
確かにここは暖かくて、木漏れ日が心地良くて。
だからって制服のまま外で居眠りするなんて、あまり
にも無防備過ぎないか??
式部、と呼ぶほど堅苦しい仲じゃなく、でも、清寿、
と呼ぶほどには親しくない。
もっとお前のことを知りたい。分かってやりたい。
だからもっと話したい。触れてみたい。
二度と同じ過ちを繰り返さない為に。。。
複雑な思いでしあわせそうな寝顔を見詰める。

ただ今は、もう少し寝かせておいてやろう。
俺の傍でいいのなら。


―君がいるだけで―



笑太2年目の話。
清寿が不眠症だとは
まだ知らない。。
と云う設定で。


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